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2002/02/05
平成14年2月1日開催
火山噴火予知連絡会 記者会見 
(三宅島部分のみ)
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平成14年2月1日に行われた 火山噴火予知連絡会記者会見の模様を、気象庁1階ロビーのモニターテレビで見ました。その三宅島に関わる部分のテープ起こしをしました。また今回は一部で解説もしてあります。
 
会見資料: http://www.kishou.go.jp/press/0202/01b/yochiren0201.pdf 
 
司会 三宅島の火山活動の統一見解につきまして、井田会長のほうからコメントをいただきます。
井田会長 まず全体の認識なんですけれども、自然現象、火山活動については特別に変わったことがないと、基本的には認識しています。

ただ、だんだん時間が経ちますとデータが蓄積されてきます。そういう蓄積を見ると、まあ言えることがだんだん出てくるということで、いくつかの点について書いてあるわけですね。

例えば第二段落目なんですけど、山頂火口から出てくる噴煙に含まれる火山ガスの組成は、ほぼ一定に保たれています。これは前回からそう思っていたんですけれども、前回はむしろ、傾向があるんじゃないかということを思っていて、ただちょっと誤差があるから見えないなと思っていたんだけれども、どうも今回のを見ると、もうちょっと積極的に変わらないということが言えそうなんですね。火山ガスの組成(*1)はもちろん誤差はあるのですが、むしろあまり変わらないでずっと推移しているというのが、そういうように思うようになってきた、それがわかってきたということです。

*1
火山ガスの組成とは、火山ガスに含まれる各成分の量比のことです。具体的には、水蒸気・二酸化硫黄・二酸化炭素など。

二酸化炭素は二酸化硫黄より早く枯渇(先に出てしまう)する性質があります。ですから、火山ガスが終わりそうになる前に、二酸化炭素/二酸化硫黄の比が減少すると期待されます。しかしその兆候がまだ起こっていない。つまりガスの放出がまだまだ続くということを井田会長は言っているものと考えます。


それから火山ガスの変動なんですが、これは全体を通して、まず全体の活動はずっと収まる方向に向かっているということがわかってきたわけですけれども、ただ単純に収まるということではなくて、変動しながら、多少ゆらぎながら納まっていくという傾向がだんだん見えてきているということであります。

そこでまず、ゆらぎを取り除いて全体としてならしてみるとどうかと言うと、数量的にいうと、だいたい1年で約3分の1くらいの割合で減っていくという感じになっています。これはいわゆる指数関数的な現象というわけですが、1年たつと3分の1減ると、また更に1年たつと3分の1、まあ複利法とかなんとかという類に似たような感じですね。そういうようなことが考えられるんじゃないかと。

だから別の言い方をすると、それを先の予測にまで言えるかどうかは難しくて、何かが変わってしまう可能性が非常にあるわけですけれども、いまだいたい1、2万トンあって、まあ数千トンくらいに下がってほしいってな感じのことを思うと、それは3分の1くらいは下がらなきゃいけなくて、まだ1年くらい、いまのままでいったとすると、まだ1年くらい経たないと数千トンとかいう、わりといろんなことを考える時点にならないかなと。

ただもちろん、それがそういう風にいくかどうかはわからないんですけれども、いままでのトレンドを外挿(*2)すると、そういう感じですね。

*2
【外挿】がいそう: 限られた範囲内では既知の性質を、未知であるその外側にも延長して適用すること。


そういう中に、いろんなゆらぎがあって・・・。むしろ全体として落ち着いていくということを示すデータとしては三段落目に「火山性地震や火山性微動」というのがあるわけですけれども、高周波の火山性地震というのはどんどん減ってきている。まあ全体的にわりと力の場を感じるような、山全体で感じるような、そういうのはだんだん減ってきているのではないかというのとか、あるいは収縮も、この収縮しているというのは、主要な原因はガスがどんどん抜けていってしまっていると思うわけですけれども、そのガスが抜ける割合というのは、元が少なくなるとだんだん減ってくるんですね。そういうことに対応して、全体としてやっぱり減ってきていると。それはだいたい同じような割合で・・・。ただそのうえにいろんなことが乗っかっていて、例えば三段落目では「火山性微動」と言って、わりと浅いところでないと活動が高まってこない、場合によってはそれが小さな、小規模の噴火に結びつくようなことがあるのですが、それはあい変わらず起こっているわけですね。

だからある種の、すうーっと収まっていくんではなくて、ガタガタしながら下がっていく、そういう中で小規模な爆発が起こっていると。それから5段落目ですか、最近でも11月から12月にかけて温度が高い状態が観測されているわけですね。そういうことと相関してみると、渡辺先生からも指摘がありましたが、まあ観測データが必ずしも多くないので一義的には言えないのですが、例えば火口の下でマグマが上がったり下がったりしていて、温度があがったり下がったりする可能性もあるとか、そういうつながりが見えてきている。

それでさっきの収縮を続けているということですが、収縮も一息にすうーっと続くというよりも、多少ガタガタしながら続いていて、それが例えば火山ガスの放出量の変動と相関があるとか、だからいろんなことが何か関連しながらというか、別の言い方をすると、だんだんガスが収まってきて、その能力が下がってきているんだけれども、一息にいかずにガタガタしながら下がってきて、そのガタガタが直接的なガスの量だけじゃなくて、重力とか、その他いろんなことで見えてきたという状況なわけです。

そんなところなんですが、それで相変わらずやはり火山ガスは高い状態である。それでそれは今のままでいくと、わりとまだそういう状態は続くかもしれないという感じなわけですね。
ただもうひとつの情報として、ここではあまり強くは書いていないのですが、わりと二酸化硫黄の濃度が高くなると場所というのが、わりと風向きに強く依存して、特定な場所にわりと限定されるということも資料として出されています。ですから山麓のあらゆる場所がそうなるのではなくて、わりと風向きによって、運の悪いところが高濃度になるという、そういう状態であるわけです。

そんな認識がわれわれの今回得られた考えです。
司会 渡辺部会長からは何かありますか?
渡辺部会長 いいえ。
司会 では、三宅島のところに関してだけ、ご質問等を受けます。
○○記者 5ページのマイクロガルのところ、もう少し説明を。・・・(聴取不能)・・・
渡辺部会長 一番うえの図が山頂カルデラの陥没の体積ですね。で9月くらいまで陥没がどんどん進行しますけれども、ほとんどは8月くらいまでですが。

それに応じて観測点よりもうえにあるものが無くなるために、三宅島の測候所の重力値が増えます。でその増える傾向は2001年に入るとほぼ横ばいになるんですが、それでも最近、2001年10月から11月にかけては10数マイクロくらい増えているわけですね。これは観測精度は1マイクロガルくらいの精度はあります。

ただし連続測定の図にありますように、プラスマイナスで2マイクロとか3マイクロくらいの、これは主として海が荒れたりすると振動の影響を受けるためにばらつきがでてくるわけですね。ですから、そういう誤差の要因はありますけれども、でも10数マイクロガルの増加というのは、意味のある変化なんですね。そういう変化が起こるのがちょうど小噴火とか火映が見えたりするのが繰り返し起こった時期に対応するので、もしかしたらこの重力の増加というのは、山頂火口の地下の火道でマグマが一時的に10月から11月にかけて少し上がったということを示しているのかもしれないということです。
○○記者 図の黒い柱のような網のかかっているのは?
渡辺部会長 これは低気圧がきたりして海が荒れたり強風が吹いたりした時に、ばらつきが大きくなりますので、この網の部分は信頼度が低いという意味です。
○○記者 ・・・(聴取不能)・・・
竹内火山課長 カテゴリーの変更に伴ってGPSの上の方への設置といったことの計画はされました。というか、端的に言えば気象庁の元からの観測点A点、これの復旧、そこへの・・・(聴取不能)・・・の設置、GPSの設置等を行っております。いまご質問の、直接火口内からのガスの採取ということにつきましては、その設置方法等について検討するために、先週ですか下見をしてきたという段階です。でその調査に基づいて今後さらに設置方法等について検討を加えていきたいと思っております。その時にも火山ガスの現地での収録方法、設置場所といったものについての方法もあわせて進められたというように聞いております。
○○記者 帰島できるメドですが、さきほど二酸化ガスの量が数千トンと漠然とおっしゃったんですが、確か前回の時に、山麓へのガスの影響を考えながら絞っていきたいとおっしゃったと思うんですが、今回ですね、三宅で帰島ができるメドとして、どのくらいになればという数字というのを持っていますでしょうか。
井田会長 実は、火山学的になかなか決められないところがあるんですよね。そのへんの議論はどうもなかなか難しくて、必ずしも帰島の判断に結びつけるというようなところまでは踏み込んではおりません。

ただですね、山麓で、出たものがどういう影響があるかということに関しては多少詰めて検討しています。まず山頂からのガスの放出量は減っているわけですね。それに対応して基本的には山麓の方も減っているようです。それはかなり相関があるということです。
もうひとつ今回検討したのは、むしろ濃度が高くなる可能性というか、高くなる割合・確率というのは、そんなに高くはない。ある場所で見ていたら風向きによっては集中することもあるわけですが、全島的に非常にそんなに高いわけではないということなんですね。
まあそのへんは難しくて、帰島の条件とかいうことに関して踏み込むことを今回しなかったのは、どちらかというとサイエンスでない部分は、むしろ行政の判断であろうと。そこで我々がどうだということまで踏み込まないほうがいいのではないのかという感じの認識を私も持ち出したこともありまして、むしろバックグラウンドになるようなことを、もっと具体的に言えば、ガスが場所によっては高くならない場所があるとか、あるいはある時期に同時に2ヶ所で高くなるということは非常に少ないとか。そういうようなことをむしろ検討しました。

ですから、帰島の時期はどうだということについては難しくて・・・。難しくてという意味は、それについてはむしろもうちょっと行政の側と、つまり我々がどういうことを検討したらいいのかということを行政の側ともう少しコミュニケーションができてからやった方がいいのではないのかと。

だからそういう意味で地ならし的なことは今も進めています。山麓でどのような影響がでるかということは進めているんだけれど、そこが例えば帰島とどういう関係があるかということは、ちょっといまは踏み込まないようにしています。
○○記者 それについての行政の判断ですが、山麓の影響を現実にみなさん見ていてですね、全島いっぺんに帰すことは無理にしてもですね、この以内については帰島を検討してもいいというようなことを、科学者の立場から行政側に具現できるような材料を持つようにはいっていないのでしょうか。
井田会長 材料を揃えてないかというよりも、ちょっと今その判断として、そういうことをするタイミングなのかどうかということで、ちょっと迷いがあるんですね。
つまりそういう資料を準備すべくいろんなことを少しずつやっているのですが、そういうようなことを我々が言うべきことではないと思うんですね、そういうのを。
例えば場所によりずいぶん違うということはわかってきていますよね。ただそのへんを行政にメッセージとして投げかけるタイミングなのかどうかということがありまして、私の方はそこをいま躊躇していまして、そこを踏み込んではいません。
火山学的に準備をしているということ。だから行政から何か問われた場合には、それに答えられるような準備をしているということです。
○○記者 ・・・(聴取不能)・・・
井田会長 それもあると思います。
○○記者 そろそろそういう検討に入る時期でもあると・・・。
井田会長 いいえ、ちょっと違います。一般的なことを言うと、例えばいまでも山麓で時によっては結構、数PPMは簡単になります。ですから火山ガスのことを絶対に考えないで例えば帰島できるというには、まだずっと先なんですね。

さきほどの1年に3分の1にというのはどういう意味があるかというと、つまりいまの状態だったら火山ガスのことを無視して帰島を考えるタイミングではない。それはひとつよろしいですね。

で、だったらそういうことが訪れるタイミング、それは例えば数分の1くらいに減らなければいけないと思います。山麓での量も減らなくちゃいけない。これは結局山頂からでる量が減らなくてはいけない。

それがどのくらい時間がかかるだろうかというと、それはこれだけデータが溜まると見えてきて、ちょっとまだそう簡単ではないですよということですね。

じゃあどうするのかというと、そのへんはもうむしろ行政の選択肢なんですね。そういう選択肢で行政が何か考えられるときに、例えば山頂、山麓の関係はどうなりますかとか、山麓でどうなりますかとか。そういう類の資料を、もし行政が求められたら出すような準備をしていこうという考え方です。

だから何をおいても例えば火山ガスが安全だというのには、いまのままでいくとですね、ある日突然に幸運にも止まってくれるということがあるかもしれないけれども、そういうことがない限り結構まだかかりますよというのが、まあ2段だてくらいで言っている心なんですね。
○○記者 1年くらいたてば、何らかの示せるものが出せるということですね。・・・(聴取不能)・・・
井田会長 1年といっても、なかなか難しいですよ。どれだけの量がというのはなかなか難しくてですね、例えばよくあげられる桜島が1000とか2000という大きさなんですね。そのくらいになったら明らかに住んでいるわけですから、まあ可能であろうと。それでも場合によっては濃度が高くなることが桜島でもあるんですね。だからそのへんをどう見るかなんだけれども、まあ常識的に言えばそういうことでしょうね。
○○記者 さきほど、行政とのコミュ二ケーションができてからとおっしゃったんですが、いままで長い時間がかかってきたんですよね。行政とは東京都だと思うんですが、コミュ二ケーションがとれていないんですか?
井田会長 いや、とれていないんじゃなくて、もう少し率直な言い方をすると、いま気象庁事務局が非常に密にコンタクトしています。私はよくコミュニケーションをしていると思います。

コミュニケーションがとれたというのはちょっと言葉が悪くてですね、もう少し言うならば、行政からそういうメッセージがでてきたらと言った方がいいかもしれません。むしろ我々はそういうことの時に、なにかメッセージを出せるような、いろいろな準備をしている。そういうように理解していただいた方がいいかと思います。

いまのところきていないということですね。帰島をどんな条件で考えるか、それを答えてくれという質問、要求は行政からきていないと。だから我々は、むしろ準備をするようなことをいろいろ考えているということです。
○○記者 メッセージがきた場合はですね、定例会で・・・(聴取不能)・・・
井田会長 それは行政からの内容によりますが、私は個人的には少なくとも全力を尽くしたいと思いますので、それは臨時でもなんでも可能な限り・・・。もちろん行政からどういうことが要求されるかということもありますが。
○○記者 マグマ溜まりの量について、地震の波形から推定することをやっていたと思うんですが、これはなにか・・・。
渡辺部会長 定性的には、前に非常に少数の観測点では、非常に減衰の大きい領域があるということは推察していたのですが、高密度、20数点の観測をやってみますと、やっぱりそれは傾向的に見えるということで、見込みはあると思っています。ただ具体的に定量的にやるのは、まだマンパワーの問題もありまして、本当は早く出すべきなんですけれど、まだ・・・・・。
井田会長 多少ですね、それも非常に定性的な話なんですが、例えば○○さんなんかが10立方(キロメートル)とかという類の値をだしていますね、結構大きな量ですね。そういうものと、例えば1年で3分の1程度という、結構時間のコンスタントが長いわけですね。それとはわりと調和的ではないかと。だからとんでもない見積りをしているんではないんじゃないかと我々は思っているんですけれどね。

だからそのくらいあるから、なかなか減らないんじゃないかという認識を持っていますが、まだ定量的な議論には入っていません。
○○記者 10立方キロ(メートル)のマグマだまり、そしてこれまでに脱ガスした分は、そのうちのどのくらいなんでしょう。
井田会長 今回は特にその見積りの数字を持っていないのですが・・・。

(しばらく渡辺部会長と確認をするが、明確な数字が出てこない)

かなり不確定な話なんですけれども、数値はいまお尋ねになったことで見積もってはいます。ちょっとすいません、いま答えられません。
司会 では、そのあたりは別途お聞きするということで、他にありませんか。
○○記者 SO2濃度が高い場所が限定されてきたというお話がありましたけれども・・・。
井田会長 限定されてきたということは、ちょっと言い方が悪いんです。つまり、ある時期から言うと非常に狭い場所で、風下のある限られた場所で起こると。それで他の場所ではほとんど無濃度であると。それが風によっていろんな方向で変わるわけですね。いまのような時期ですと風向きがほとんど西風ですから、東側の非常に限られた場所に限定されるわけですね。
○○記者 では地形的な影響というよりも、もう風向きに・・・。
井田会長 風に非常に影響すると。別な言い方をすると、風がよくわかるとだいたい危ない場所がわかるということです。
 
以上です。